あなたとは長いお付き合いなのに
(中には最近お付き合いが始まった方もいるかも…)
あなたに隠していたことがあります。
実は、わたしは「犯罪者」でした。
犯罪者、そう
日本に住む人に課された義務を
果たしていなかった
「税滞納者」として
のうのうと生きていました。
ちょっとやそっとじゃありません。
長期間に及ぶ税滞納者だったんです。
サラリーマンを経て
フリーランスになったわけですが
会社員時代の「ツケ」って翌年以降にくるんです。
「今はまだ大丈夫だろ」
と思って油断していると
足音を潜めるようにして
ジワリジワリと忍び寄ってくる…
義務を果たさない人に
しっぺ返しの日は突然やってきます。
……
ある日、こんなことがありました。
仕事の打ち合わせで外出する用事があり
出かけに部屋で財布を確認しました。
「1000円札一枚しかないや…」
外出先までは電車で移動しますので
駅前のATMで1万円引き出して行こう。
そう決めて自宅を出たんです。
その日会うのは初対面の仕事関係の方です。
その人とどんな仕事になるだろう
初めて会う人が気が合う人だといいな
なんてことを考えながら
最寄り駅に到着しました。
「おっと、ATM寄って行かないと」
といつものようにATM前まで歩いて
さあ、決めていたように1万円引き出そうとします。
「…お客さまの口座は現在使用できません…」
……一瞬、目がテンになりました……
「え?残高は結構あったはず」
もう一度キャッシュカードを入れました。
入れたというより乱暴に突っ込んだ感じでした。
何度入れても
「…お客様の口座は現在使用できません…」
おかしい…
と思ってよく見ると
「〇〇(住んでいた地方役所名)」
と書かれているじゃないですか?
この瞬間、いろんなことが頭をよぎりました。
「…( 止められた )…」
これから会う人との約束なんか吹き飛びました。
その頃、自宅には役所からの「督促状」が
デスクに山積みになっていたのを思い出します。
返す刀でケータイで「104」の番号案内へ電話し
〇〇役所の代表電話を聞き出しました。
地方税を扱う部署は税務課と言いました。
そこへつないでもらって
名を名乗ると1分と待たずに担当者が電話口に。
「あ、差し押さえです」
その時の担当者の声色は極めて冷静でした。
「……これから仕事なんです。電車代もない!
どうにかしてください!!」
担当者はこう続けました。
「まず窓口に来て返済相談をしてください」
「そんな場合じゃないんです。今仕事で出かけるんですよ」
こんなやり取りを数分間しましたが
その時のことは今でも鮮明に覚えています。
税金は絶対支払わなくちゃいけないものです。
これも立派な「借金」です。
この先どうやって返済する?
返済相談をどうやってうまくかわす?
いや、月いくらなら払える?
いろんなことに思いめぐらし
いつの間にか下を向いて頭を抱えていました。
…… 待てよ、仕事はどうする?参った ……
ふと今日、この先予定があったことを思い出しました。
重たい左腕を耳まで上げて
諦めモードでとりあえず約束していた人に
ケータイで電話しました。
結局、その方がわたしの住むところ
最寄りの駅まで来てくれて
お茶代まで払ってくれて打ち合わせすることに。
いやあ、仕事の話なんて
一切頭の中に入ってきませんでした。
あなただって初対面の人に
いきなり「差し押さえ」にあった
なんて聞いたらどう思いますか?
その時のわたしは平静を装うことができず
機転を回したことなんて言えずに
「差し押さえ」にあってお金がない…
ってぶっちゃけてしまったんです。
今思ってもなんて非常識な人間だったんでしょう。
……
おっと、気が付いたら
いつの間にかディープな話になっていました。
今回はこの辺でいったん辞めておきます。
この先もいろいろ暴露していきます。
今日のお話、中には
「これ、俺のことじゃん!!」
なんて言う方もいるかもしれません。
くれぐれも注意してくださいね。
以上、「元税滞納者」で「犯罪者」の告白でしたw